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体験談 ~海外農業研修OB・OGからのメッセージ~

平成27年度 オランダ派遣:竹 慎一郎さん平成26年度 アメリカ研修生:猪野 聡子さん
平成24年度 アメリカ派遣:松嶺 仁宏さん平成21年度 スイス派遣:遠藤 理佳さん平成19年度 アメリカ派遣:土師 聡子さん

学べることは農業知識・経験だけではない

私がこの研修に参加しようと思ったのは、大学2年になったばかりの春でした。このとき私は将来農業関係の仕事に就きたいという気持ちを抱えながらも何をして良いか分からない状況でした。そのときに見つけたのがこの海外農業研修の募集でした。実家が農家でもなく、農業経験がない私にとっては、またとないチャンスだと思いこの研修プログラムに参加しました。はじめ、農業経験と外国語力に自信がなく、研修プログラムの一環であるアプレンティッスシップで1年間愛知県のトマト農家で研修後、ヨーロッパ(オランダ)へ渡航しました。渡航して農家へ配属されたあと、私が最初に感じたことは“言葉の壁”です。1年間英語勉強を頑張り、ある程度英語でコミュニケーションがとれるようになっていた私ですが、いざ配属された農場をみてみると同僚の8割がポーランド人でしかもほぼ全員が英語を話せない人達でした。ボスはオランダ人でしたが、直属の上司はポーランド人で不安を抱えたまま研修がスタートしました。しかし、始まってみると最初宇宙人を相手にしている感覚を持っていた私ですが、会話をしたり一緒に作業したりすると言葉がまともに通じない私にとても良くしてくれ、ボディーランゲージや筆談を駆使して過ごしてきました。休日や休憩中には一緒にスポーツをしたり、お酒を飲んだり、一緒に街へ出掛けたり、数え切れないほどの思い出ができました。

オランダ式の温室栽培もとてつもないものでした。1つの温室が約4haで、作業はほぼ機械を使い、どれだけ低いコストでたくさんのトマトを出荷できるかということをメインに作業を行ってきました。正直、オランダ式農業が日本でできるとは思いません。しかしこの研修で得られたモノは農業知識・経験だけでなく異文化を知るとても大切なことも学ぶことができました。この農業研修が私の将来の役に立つ経験と確信が持てる素晴らしいものでした。

今、振り返るとこの研修は良いことしかありません、ぜひ一人でも多くの若い人が研修に参加して欲しいと思っています。

竹 慎一郎さん

沖縄県出身
派遣年度:平成27年度
派遣先国:オランダ
現在は、大学に復学し学業に勤しんでいる。将来は農業をサポートする側に回って盛り上げたい。



夢の国アメリカで、全てを学んで、先へゆく

アメリカは夢の国という想いを持ち続けて20歳の時にこの研修に参加したのが私です。昔から、この研修を経験した父から毎日、アメリカ生活の武勇伝をきいているうちに、同じ経験をすることが夢になりました。そんな私ですが、現実には農業とは関係のない学校に進み、就職しようとしていました。この時に家族から、「今しかできないことが目の前にあるのなら、飛び込んでみるといい」と背中を押され、夢の国へジャンプしました。

私にとってアメリカはまさに夢の国でした。英語が飛び交う国で、真っすぐに続く道、左ハンドル、ちょっとセクシーな服装、アメリカンコメディドラマでよく見たコンビニなど、日本とは全く違う世界で飽きない毎日でした。
野菜専攻の私が派遣されたのは、ニューヨークの北東にあるメーン州のヤギと野菜の農場でした。野菜の管理やファーマーズマーケットの売り子、ヤギについては、搾乳や出産補助、チーズ作り、そしてピザ作りなど多くのことを体験させていただきました。特にヤギの出産補助は毎日-10~-20℃の世界の中、多くのヤギが次々と子を産んでいくため、温暖育ちの私にとっては、寒い―忙しい―寒いという繰り返しで、忘れられない経験になりました。ここでは、農業のスキル以外に人間関係の構築や営業のことも学ばせてもらい、一段と大きな人間になることができました。

この研修を終えて、自分と同じような立場にいる人のサポートをしたいという気持ちも強く持ちました。現在は、家族や先輩、外国の技能実習生と共に仕事をしながら、実習生のサポートをしています。彼らが不安なく働ける仕事場を作るサポートをしながら、一緒に成長していけたらいいなと思いながら、生活しています。この研修は、技術を学ぶだけではなく、人としても成長できる場なので、多くの方に経験してもらいたいです。

猪野 聡子さん

高知県出身
派遣年度:平成26年度
派遣先国:アメリカ
現在は、実家でニラ・ネギの栽培・加工等全般に携わっている趣味は、祖父母と共に家庭菜園


頭の中で考えていてはもったいないくらいに世界は広い

「自分を成長させてくれたアメリカへ帰りたい!」私の農業研修はこの言葉に集約されます。研修に応募した当時の私は就活を考える大学2年生でした。環境保護をする手段として農業の活性化を志し、見えてきた日本の農業課題。様々な要因がある中で、私が可能性を見出したのは「売る・魅せる農業の確立」でした。生産者と消費者の関係性をコンパクトにし、相互理解や需給のマッチングを行う。そして、「農業をカッコイイ職業に」が私のテーマです。そのためには、自身が生産者の気持ちになり、なおかつ作る~売るまでのプロセスの困難さを学ぶ必要がありました。これらを経験するために私はアメリカへと発ちました。

そこで待っていたのは農業大国を陰で支える厳しい現実。不法労働者、言語・文化の壁、過酷な労働条件。心身ともに限界となる日々の繰り返しが永遠のように感じ、研修はじめは、今まで積み重ねてきた自信も何もかもが通用せず、正直苦しいことの方が多かったけれども、歯を食いしばりながら1年耐えると、私はSupervisorになることができました。ボスからも認められ、研修当初に迷惑をかけてばっかりだったメキシカンからも信頼を得た結果です。農場を離れる際のみんなの言葉と顔、そして熱いハグは今でも忘れません。現地での大学生活、ホームステイ、最終旅行、研修生同士で夢を語り合った日々、全てが忘れられません。渡米前に思い描いていた研修と現実の世界は全く違いました。頭の中で考えていてはもったいないくらいに世界は広いです。私がここでいくら書いても伝わらないほどのことが世界には待っています。大切なのは「行動」すること。今後は、生産者と消費者を繋ぐ存在になれるよう精進していきます。

松嶺 仁宏さん

専攻業種:野菜
派遣年度:2012年度
派遣先国:アメリカ


(写真後列左端)

家畜が景観を維持する役割を担っているという
スイスの考え方に共感

私は、スイスで一般的な環境保全型農業を実践する有畜複合経営の農家で研修を行いました。研修は一日一日がとても充実したもので、乳牛の搾乳、乳加工から直販までの作業や、羊などの精肉の販売、養鶏での採卵から販売、ケーキ作りなど家事全般も行い、スイスの食・生活文化も知ることができました。季節を味わい、家畜が景観を維持する役割を担っているというスイスの考え方は、日本に持って帰ってきた感覚のひとつです。

私は現在島根県で、48頭の黒毛和牛を放牧主体で飼育し、他にも食用米および飼料米を栽培しています。また、スイスでの海外農業研修を終えて帰国後三か月で、自家生産の牛肉を自家販売・消費できる場所として農家カフェを開業しました。農家カフェでは、乳加工、製パン、牛の見える環境の中で食事を提供しています。牛、山羊、鶏がいて、畑には野菜もあります。ここに小学生から大人まで、最近は海外からも農作業体験及び食事、民泊を希望する方がやってきます。今後も農業とは畜産とはどのような仕事なのかを考え、農畜産物のできるまで、食事を通して命について考えるといった“食育”をテーマにした取り組みに力を入れていきます。

遠藤 理佳さん

専攻業種:複合
派遣年度:2009年度
派遣先国:スイス

人生観を変えてくれるこの研修を体験してもらいたい

私が研修に参加した当時の夢は、農業の実情を知った上で地域農業振興のために働くことでした。アメリカで特に興味を持ったのは消費者の食に対する選択肢の多様性(慣行農産物、有機農産物、地産地消等)です。農場研修中にはWest Seattle Farmers Marketで売り子をしながら責任者にその運営方法を聞き、専門学習中にはDavis Farmers Marketや現地教育機関でCSAの販売手伝いをし、近隣小学校の食育授業に参加しました。相談すると全力で協力してくれる素敵な人々との出会いから、自分の能力を高めるため努力を続けることの楽しさを教わりました。

帰国後復学してからは、勉学はもちろん、研修OBや同期や外国人留学生との交流、食育や英語の資格取得等、何でも挑戦するようにしました。在学中に学ぶ姿勢を知ったことは本当によかったです。知的好奇心に素直に貪欲に、質問することの大切さを、身をもって感じました。

現在は県農業普及指導員として勤務しており、当初の夢を叶えた形ですが、これから再出発して別分野を学ぶ予定です。それは、どうしても忘れられないアメリカの存在と、「食」に対する消費者の考え方の差はどこにあるのか等、興味が尽きないからです。将来の明確なゴールはまだ見えませんが、農業や食という分野に関わり続けたいです。一人でも多くの若者に、人生観を変えてくれるこの研修を是非体験してもらえればと思います。

土師 聡子さん

専攻業種:野菜
派遣年度:2007年度
派遣先国:アメリカ


(写真左端)
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