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-フィリピン技術協力事業 現地リポート-

No.36:ラ・トリニダッドで土砂崩れの惨禍

 このたびは皆さんに悲しいお知らせをしなければなりません。
 

ラ・トリニダッド町リトル・キブンガン地区における被害の惨状(1)

 台風17号がフィリピン北部を1週間にわたって大量の雨を降らせました。そのためプロジェクト実施対象地区であるベンゲット州ラ・トリニダッド町のリトル・キブンガンという地区では10月8日に大規模な地滑り(土砂崩れ)が発生しました。30戸の家やアパートが押し流されて全壊し、75名が死亡、2名が行方不明(10月17日現在)となっています。ラ・トリニダッド町内では死者113名、行方不明2名の惨状です。

 町内では道路がいたるところで寸断されました。農地も土砂崩れで失われたところが多く、野菜・花卉を栽培していた多くのビニールハウスが破壊されました。道路のほとんどは15、16日になってようやく回復しましたが、まだ通れない道路もあります。炭・木酢施設や堆肥施設のあるコンポストセンターへの道は17日にようやく開通しましたが、そこにたどり着くまでに数多くの土砂崩れ痕がありました。

ラ・トリニダッド町リトル・キブンガン地区における被害の惨状(2)


 幸いプロジェクトのスタッフは全員無事でした。物的被害も軽微で、デモファームの表土が野菜とともに流出したり、ハウスのビニールが一部破損したり、プロジェクトで使っているコピー機が落雷に遭って使用不可能になった程度でした。しかし、プロジェクトに参加している農家(その多くが2008年長野研修生OB)はビニールハウスが破壊されたり、畑が流されたりして大きな被害を受けています。

 ラ・トリニダッド町では、町長を筆頭に町役場の職員たちが不眠不休で不明者の探索、被害者の救済、道路その他の施設の復旧に当たっています。また、町内の多くの若者がボランティアとしてこのような活動を支援しています。募金活動も活発で、町役場や州庁舎の正面で募金を受け付けています。さらに地滑りで親を亡くした子供たちの里親探しも行われています。

 

町長へお見舞いの挨拶

 現地に出張した本会の職員は10月10日にマニラに到着したものの、ベンゲットへ行く道路が寸断されたため足止めされ、14日になってようやく現地に入ることができました。

 私たちプロジェクトは町を訪問し、お見舞いをしました。またフィリピンから研修生を受け入れている長野県の農家グループからのお見舞いも届けました。

 ラ・トリニダッド町をはじめベンゲット州の人々がこの被害を克服して一日も早く立ち直り、再び地域が活気を取り戻すことを願ってやみません。 皆様にはこの被災地の人々に、暖かな励ましをいただければ幸いです。




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