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-フィリピン技術協力事業 現地リポート-

No.17:雨季の仕事〜土づくりをしよう

 こんにちは、中島です。日本で暫く休暇を過ごし、雨季のフィリピンに戻ってきました。

 『環境保全型農業の基本は土づくり』ということはこれまでも何度かお話ししました。

 気象条件に恵まれたこの地方では、野菜を年に3作も4作も栽培でき、連作をします。一方では鶏糞と化学肥料だけを使っているので土壌が極端に弱っています。こちらの人たちは、土を休ませるという概念がありません。「作れるのに休ませるのはもったいない」というのです。


 6月から10月頃までは雨季です。今年は特に雨が多い。例えば4月から雨が始まって、今までにもう台風が5つはベンゲットを通過しました。そのたびに周りの畑(野菜、イチゴ)は水没・・・(写真左)。

 台風だけでなく、晴れ間なく雨がずっと続くこともあります。この間は雨除けをしないと野菜は作れませんし、野菜は病気に悩まされてなかなか元気に育ってくれません。雨よけのビニール代、病害防除の農薬代、雨による肥料成分溶脱などで、経営的にも良いとはいえません。



 そこで、日本の冬のように「雨季を土づくりの期間にしよう。」というのが横森さんの考えです。雨季に畑を休ませて、その間に堆肥を作り、これを土に施して地力を回復させるのです。

 こちらの人たちとって、それは新しい概念です。土づくりの必要性を理解してもらうのは難しいことですが、それによって11月から翌5月までの乾季に健全な野菜が作れる。農薬代を節約し、残留農薬のない安全でおいしい野菜を生産することで経営的にもプラスになる。それらをしっかりと理解し、実践してもらうことが、このプロジェクトの核心です。

 ということで、今は堆肥つくり、土づくりを精力的にやっています。

 まず、粘土質の多いこのあたりの土の通気性や水はけを良くするために、畑に溝を切り、草を入れて土を戻します(写真右)。これを行なった畑は水はけが良くなりハクサイが病気に強くなりました。この草はやがて畑の有機物として分解されていい土になります。

 次は堆肥作りです。雨の多いこの時期、雑草が繁茂します。これを刈ってコンポストを作ります。作るときはもちろん木酢を使います。(現地レポートNo 7, 12, 14をご覧下さい。) あちこちの草を刈っているので地域の美化にも貢献しています。晴れ間をぬっての作業ですが、こうやってコンポストを作っては畑に撒いていきます(写真下)。


 地味ですが畑の地力を高めるこれらの作業により、11月からの乾季に野菜を作ることが楽しみにもなります。私たちはこのプロジェクトで、地域で手に入る材料を利用した土づくり技術を実証し、一人でも多くの周辺の農家の方々に1日も早く実践してもらうことを目指しています。

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