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No.14:ロンロン集落でコンポストセミナー開催

 こちらも今は雨季です。けれども、5月末から5日くらい晴れが続き、爽やかな日和・・・を通り過ぎて暑い。その代わり洗濯物が良く乾きました。

 そんな中、6月3日にラ・トリニダッド町内の1部落でコンポスト作りのトレーニングを行ないました。さきに現地レポートでお伝えしたように、5月2日に炭・木酢を使って土壌改良を行う方法の実地研修を行い、その結果を地元ラジオで宣伝したところ、多くの市町村、集落の農家が注目しました。ロンロン集落もそのひとつです。集まってきた人たちは約40人。

写真1

 環境にやさしく、健全で残留農薬のない野菜を作るには、まず堆肥を使って健全な土壌を作らなければなりません。地元にある資材を使って、できる限りお金を使わず堆肥を作ります。

 資材は、そこらにある草、使い終わったマッシュルームの培地 (マッシュルームコンポスト)、鶏糞、ラ・トリニダッド特製の野菜くずコンポスト、それにもみがらくん炭と木酢。

 まず、草を切りました(写真1)。フィリピンでは、昔から大きいナタを使っていたようです。今は、シュレッダー、機械を好みます。楽なので。けれども、今回使用したのは、日本の伝統技術、押し切り。押し切りの写真を持って鍛冶屋へ行き刃を作ってもらい、金属加工の工場へ行きほかの部分を作ってもらいました。使いやすく、ナタの時よりも早く仕事ができると好評でした。


 横森さんの指導の下、細かく裁断した草を敷き(写真2)、鶏糞、マッシュルームコンポスト、コンポスト、くん炭をサンドイッチのように積み重ね、そして、木酢をかけ、また積み重ね・・・(写真3)。 高さ1.3mくらいのものを作りました(写真4)。別に比較用の木酢をかけないコンポストも作りました。

写真2 写真3 写真4

写真5


 その後、温度を測定。3日後には、堆肥の切り返しのためもう一度集まって貰いました(写真5)。

 堆肥の温度は両方とも45℃前後と違いはありません。

 さらに、3日後にトレーニングを開催。温度を測ってみると、木酢の入った堆肥は55℃。入れなかったのは45℃。違いがでてきました。堆肥の中の微生物が増殖し、発酵が活発になってきました。みんな木酢の効果を実感したようです。

 これから、このコンポストを使って、安全でおいしい野菜を作るところまで指導を続けたいと思っています。

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