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-フィリピン技術協力事業 現地リポート-
(土壌・資源保全に配慮した安全野菜生産・流通プロジェクト)

No.7:今年のベンゲット2大イベント、
フィリピン全国野菜会議とアディバイに参加

イベントに出展されていた直売所

 毎年11月下旬にはアディバイ(ADIBAY)と呼ばれるお祭りがあります。ベンゲット州13町の特産品が州都ラ・トリニダードに集まり、野菜直売・イベントブースの設置・パレードなど様々な催し物を見ることができます。今年はこれに加えてフィリピン全国野菜会議(National Vegetable Congress)と呼ばれる全国規模の会議がここ、ベンゲット州で開催されました。

 横森氏はこの2つの大イベントに花を添えるべく、横森アグノ夫人とともにサヨテのピクルスとサヨテの天ぷら、レタスのキムチ浅漬けなどを紹介しました。今年の3月にもサヨテ漬物講習を開催し、今回はさらに時間と手間をかけてより完成度の高いものを全国野菜会議とアディバイに出展しようと入念に準備を進めてきました。


 ベンゲットではサヨテ(ハヤトウリ)はほぼ年中生産ができます。そのため生産過剰で消費がだぶつくと出荷価格は2〜3ペソ(5~7円程度)/sまで暴落し、サヨテ農家の経営を苦しめているという背景があります。単価の安いサヨテに付加価値を付ける手段として、横森氏はサヨテの漬物と天ぷらを考案してきました。試食した多くの方から好評を頂き、中には「これが本当にサヨテなのか?」と半信半疑の方もいるほどでした。サヨテの食べ方はスープや炒め物の具材としてしか認知されていないため、野菜の消費拡大にはこのようなレシピの提案も必要だと横森氏は述べていました。

 推定500名を超えるたくさんの方が私達のブースを訪れてくれまして、試食のブースは大盛況に終わりました。

大好評だった私たちの試食ブース

出展されていたベンゲット州のイベントブース

 舞台はアディバイから全国野菜会議に移ります。全国野菜会議に先駆けてラ・トリニダード町内の農業施設を回る視察ツアーが行われました。70名を超える参加者が私達のデモファームを訪れ、SAVERS技術の現状を見て頂きました。

 これまでもプロジェクトの普及活動として他の州へ行ってセミナーを開催したり、資料を配ってきましたが、私達の圃場で実際にどんな物が栽培されているのかを見てもらう機会はほとんどありませんでした。この技術が如何に素晴らしいかを口頭や写真で説明しても、実際の圃場で品質の高い野菜が出来なければ何の説得力もありません。横森氏の指導と圃場スタッフの管理が実を結び、今回の視察ツアーでは非常に出来の良い野菜を披露することができました。参加者からも大変な好評と関心を頂き、嬉しい限りです。

 全国会議では横森氏もゲストスピーカーとして、これまでのプロジェクト活動6年半の経緯とSAVERS技術について講演されました。こちらの会場でも多くの方から反響を頂き、12月からスタートしたフィリピン全国規模のプロジェクトを大いに盛り上げてくれると期待しております。


 12月に入っても相変わらず日中の気温は20度を超え、温かい日が続いています。もちろん雪はありません。もうすぐフィリピンで年越しを迎えますが、こうも温かいと季節の感覚が完全に狂ってしまいます。過ごしやすい気候も良いですが、ホワイト・クリスマスや凍えながら行く初詣を羨ましく思う今日この頃です。

 もうすぐ2013年が終わります。2014年も皆様にとって素晴らしい年になりますよう、心よりお祈り申し上げます。

Copy Right 社団法人国際農業者交流協会