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-フィリピン技術協力事業 現地リポート-

No.26:横森さんが国立ベンゲット大学で講義


 『畑の土壌改良で健全安心野菜を作る』という当プロジェクトの目的が、ここベンゲットの農民や行政、普及関係者の間に広がりつつあると実感できるようになりました。これは横森さんがベンゲットはもとよりフィリピン各地で研修指導、セミナー講演など縦横無尽の活動をした成果です。今日はそのひとつをご紹介します。

ベンゲット大学農学部で講義する横森さん。ペレス先生(最前列左端)と同僚の教授も聴講。

 12月10日に国立ベンゲット大学で土壌改良と作物栽培の講義を行ないました(写真左)。

 これは同大学農学部植物病理学のジョスリン・ペレス先生の要請によるもので、学生(3、4年生)と職員あわせて約30人が聴講しました。内容は炭、木酢を使って良質の堆肥を作ること、木酢の土壌潅注で土壌微生物相をコントロールして植物生育を増進すること、木酢の葉面散布で害虫忌避、農薬と混合して農薬使用量を減らすことなどです。さらに炭と木酢を家畜のえさに混ぜて食べさせることによって、飼養効率を高め、肉質を良くするなどの研究成果も紹介しました。

プロジェクトの炭・木酢施設を見学する学生たち。


 2時間の講義を聴講者は大変興味深く聞いていました。今回は特に専門的に突っ込んだ質問も多く関心の高さがうかがわれました。講義に先立って聴講者は町のコンポストセンターにプロジェクトが建設した炭・木酢テストプラントを見学しましたので、彼らの関心も一層高まったと思われます。(写真右)

 講義の後の懇談で、ペレス先生は「横森さんが説明した技術について、科学的に立証するための試験をしたい。」と話していました。ベンゲット大学は農業分野では有数の学校で、また有機農業の研修と教育に力を入れています。プロジェクトが推奨する技術を大学が研究テーマに取り上げてその有効性を証明すれば、われわれの環境保全型野菜生産技術がスピーディに全国の農家の方々に普及することが期待できます。これからもあらゆる機会を通じて、大学との協力を推進したいと思います。

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この1年間、色々な方に大変お世話になりました。フィリピン野菜プロジェクトもあと1年3ヶ月を残すのみとなりました。私たちは来年も、これまでの成功に力を得て、より多くの農家の方々が環境保全型農業を実践し、それによってフィリピン野菜生産振興が進むようがんばります。皆さまのご支援を引続き宜しくお願いいたします。


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