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◆危機的状態の自然
ドイツ全土では1日に約13haの平地が宅地化されているという。人口密集地帯であるノルドラインヴェストファーレン州(以下NRW)では年間凡そ7,000haの平地が宅地化されてしまう。「地域住民から“ガレージを作るからほんの少し”、“ちょっとアパートを作るから”と農地や平地の転用を持ちかけられた時、市町村はなかなか“No”といえない。まるでサラミを少しずつ切っていく様に自然はその身を切り減らしているのです。」そう言いながらリーナウさんは気鬱な顔をする。
どの地域でも昔と比べ確認される生物が確実に減ってきているという。NABUデュッセルドルフ会員ヘンリッヒスさんの自宅庭には蝶が好む花がたくさん植えられており、今年は2種類の蝶が確認された。昨年は同じところに6種類の可憐な訪問者がやってきていた。勿論1年ばかりの短期的な観察では蝶が減っているかどうかはっきりさせる事はできない。しかしかつて見られた蝶の7割が今日この地域で見られなくなっているのは事実である。長期的な自然観測、具体的な自然保護活動がなければ結局は危機的状態の自然を明確に知る事は難しい。
NABUデュッセルドルフでは街近郊の湿地帯(15,000u)を買い取りビオトープとしている。ここでは野鳥63種(内30種がここを産卵場所としている)、トンボ23種、カエル6種が確認されており、中には州のレッドデータブックにリストアップされている絶滅危惧種もある。このビオトープでは湿地形態の環境に順応した生物群を保護しているので、水辺の陸地化を防ぐ為に年に数回浅瀬の葦を刈り取ったり、ダムを作って沼の水が流出してしまうのを防いだりしている。外来種であるタデやオオハナウドを駆除する事も原種を保護する上で大切な仕事だ。
「ここには藪や草むらに産卵する鳥、温かい浅瀬を必要とするカエルや小魚が生きています。彼らの為に普段はこの地域への立ち入りはしません。しかし、近くの湖への近道として釣り人が踏み入ってしまう事があります。」
このビオトープは近年周辺の湿地帯も包括できるよう更に土地の買取を進める予定だそうだ。
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